プロ直伝あんずジャムの作り方!黄金比と失敗ゼロの長期保存術

プロ直伝あんずジャムの作り方!黄金比と失敗ゼロの長期保存術

今注目を集めている プロ直伝あんずジャムの作り方!黄金比と失敗ゼロの長期保存術について、多角的な視点をご紹介しています。

仕上がりの食感や色合いを大きく左右するのが「皮の処理」です。結論から言えば、家庭での調理ではあんずジャム皮ごとレシピが圧倒的におすすめです。あんずの皮の直下には、香り成分やポリフェノール、そしてジャムにとろみをつける植物性食物繊維「ペクチン」が最も多く凝縮されています。加熱によって皮は数分で柔らかく溶け込み、果肉と一体化するため、わざわざ湯剥きをする必要はありません。むしろ皮ごと煮ることで、美しい濃い橙色と濃厚なとろみが実現します。

また、調理者から最も多く寄せられるトラブルが「冷めても固まらない」という現象です。あんずジャム固まらない原因は、主に以下の3点に集約されます。

第一に「糖度不足」です。ジャムが冷えてゲル化するためには、糖度約60%以上の環境が必要です。健康志向から過度なあんずジャム砂糖控えめ(果肉に対して30%以下など)で作ると、ペクチンの分子が網目構造を形成できず、冷やしてもシロップのようにサラサラのまま残ってしまいます。

第二に「酸度(pH)の不足」です。ペクチンはpH3.0前後の酸性環境で最も強く固まります。あんずの熟度が高く完熟しきっている場合、果実自体の酸味が抜けているため、レモン汁を追加しないとゲル化が弱まります。

第三に「過加熱によるペクチンの熱破壊」です。とろみがつかないからと30分以上強火で煮詰じっくり加熱し続けると、熱によってペクチンの構造が破壊され、逆に固まる力を失ってしまいます。鍋の中で少し緩いと感じる程度(スプーンですくって冷水に落とした際、散らずにひと塊で沈む「コールドプレートテスト」が目安)で火を止めるのが鉄則です。

なお、未熟な青いあんずを使う場合や渋みが気になる場合は、下処理として短時間のあんずのアク抜き方法を取り入れます。半割りにした果肉をたっぷりの冷水に15分ほど浸すか、沸騰した湯で30秒ほどサッと湯通ししてから砂糖と合わせることで、えぐみのない澄んだ味わいに仕上がります。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。