真夏のレジャーや屋外スポーツの後、数日経ってから皮膚の表面がフケのように浮き、最終的に日焼けで皮がボロボロとむける状態に直面することがあります。この現象の背景には、人体の精緻な防衛システムが存在します。
皮膚科学において、日焼けの皮むけが起こる理由とメカニズムは「紫外線B波(UVB)による表皮細胞の損傷と自死(アポトーシス)」と定義されます。波長の短いUVBが皮膚の浅い層(表皮)に到達すると、角化細胞(ケラチノサイト)のDNAに直接ダメージを与えます。傷ついた細胞がそのまま増殖すると皮膚がんなどの異変を引き起こす恐れがあるため、人体は損傷した細胞を自発的に消滅させるプログラムを発動させます。
死滅した大量の細胞は、下から新しく生成された健康な細胞によって一気に押し上げられます。通常は約28日周期で行われる肌のターンオーバーが、緊急事態として数日間の超ハイスピードで進行するため、未成熟な角質がシート状や粉状になって剥離するのです。つまり、皮がむけている状態は「体が傷ついた細胞を正常に排除し、新しい皮膚を再生している証拠」に他なりません。