二人の足跡を振り返る上で欠かせないのが、世界最高峰の舞台で刻んだ鮮烈な記憶だ。菊地凛子は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の映画『バベル』でろう者の女子高生役を熱演。その鬼気迫る演技が世界中で絶賛され、日本人女優として実に49年ぶりとなるアカデミー賞助演女優賞にノミネートされるという快挙を成し遂げた。
一方の染谷将太も負けてはいない。園子温監督の『ヒミズ』で見せた狂気と切なさが入り混じる熱演は、ヴェネツィア国際映画祭で日本人初となるマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞。若くして日本映画界の未来を背負う存在として、その名を全世界に刻み込んだ。夫婦揃って「世界基準の国際映画祭で証明された演技派」であるという事実は、現代の日本エンタメ史において極めて希有な例と言える。