三大都市圏の対向軸として語られるのが、地方中核都市である「札仙広福(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)」です。これら4都市は各ブロックの経済・行政の拠点を担う政令指定都市であり、近年は福岡市を中心に人口増加やスタートアップ支援が注目を集めています。
しかし、三大都市圏と札仙広福の間には、決定的な構造差が存在します。
第一に、「後背人口と都市圏ネットワークの規模」です。三大都市圏は鉄道網によって複数の政令指定都市や衛星都市が高密度に直結し、数千万人規模の単一市場を形成しています。これに対し、地方中核都市は単独での求心力は高いものの、周辺自治体を含めた経済規模は数百万人規模にとどまり、地場産業の厚みや支店経済からの脱却に限界を抱えています。
第二に、居住地選択において多くの人が見落としがちなのが「国の地方創生移住支援金」の適用ルールです。東京圏からの地方移住を促す最大100万円(単身60万円、子育て加算あり)の交付金事業は、基本的に「東京23区に在住または通勤していた人」が地方へ転出する場合を対象としています。そのため、「大阪圏や名古屋圏から地方都市へ移住するケース」や「東京圏内での郊外移住」は、原則として支援金の対象外となる制度設計が一般的です。三大都市圏出身者であっても、自治体の募集要件を精査しないまま移住計画を進めると資金計画に齟齬が生じるリスクがあります。