早口言葉の難しさは、単に文字数が多いことだけではありません。舌の筋肉(舌筋)や唇、軟口蓋が極端に異なる位置へ瞬時に移動を繰り返す「調音の急旋回」こそが、人間の発声器官を狂わせる元凶です。ここでは、ネットで話題の激ムズ早口言葉から伝統的な難問まで、難易度別に厳選して紹介します。
レベル1:初級〜中級(ウォーミングアップ・古典的名作)
- 「東京特許許可局局長 今日急遽休暇許可拒否」
(とうきょうとっきょきょかきょくきょくちょう きょうきゅうきょきゅうかきょかきょひ)
※カ行・キョの連続による舌根の疲労を誘発する王道フレーズです。 - 「新春シャンソンショー」
(しんしゅんしゃんそんしょー)
※サ行とシャ行(硬口蓋化音)の切り替えが唇の脱力を阻みます。 - 「除雪車除雪作業中」
(じょせつしゃじょせつさぎょうちゅう)
※ザ行・サ行・ジャ行の摩擦音・破擦音が激しく交錯します。 - 「美術室技術室手術室」
(びじゅつしつぎじゅつしつしゅじゅつしつ)
※「じゅつしつ」の摩擦音の反復が舌先を固まらせます。 - 「客席の旅客機が急遽着陸」
(きゃくせきのりょかっきがきゅうきょちゃくりく)
※キャ・キョ・チャの拗音(小さい文字)が連続するトラップです。
レベル2:上級(アナウンサー採用試験・養成所レベル)
- 「新進シャンソン歌手総出演新春シャンソンショー」
(しんしんしゃんそんかしゅそうしゅつえんしんしゅんしゃんそんしょー)
※サ行とシャ行の反復に加え、「しゅつえん」のタ行渡り音が難所です。 - 「老若男女骨粗鬆症予防啓発推進協議会」
(ろうにゃくなんにょこつそしょうしょうよぼうけいはつすいしんきょうぎかい)
※「老若男女(ろうにゃくなんにょ)」の鼻音・拗音から、サ行の極致へ突入します。 - 「打者走者勝者走者一掃」
(だしゃそうしゃしょうしゃそうしゃいっそう)
※ダ・サ・シャ・ショの舌先の位置(調音点)がミリ単位でズレる罠があります。 - 「輸出車・輸出湯・輸出酢、輸入車・輸入湯・輸入酢」
(ゆしゅつしゃ・ゆしゅつとう・ゆしゅつす、ゆにゅうしゃ・ゆにゅうとう・ゆにゅうす)
※「ゆしゅつ」「ゆにゅう」の口唇の突き出しとサ行の摩擦が交差します。 - 「右目右耳右耳右目、左目左耳左耳左目」
(みぎめみぎみみみぎみみみぎめ、ひだりめひだりみみひだりみみひだりめ)
※「み」と「め」の音韻交錯により、脳のワーキングメモリが混乱します。
レベル3:言えたら天才レベル(声優・アナウンサーも悶絶する超難問)
- 「骨粗鬆症訴訟勝訴」
(こつそしょうしょうそしょうしょうそ)
※「激ムズ界の最高峰」と呼ばれるフレーズ。サ行・シャ行・ショ行が息つく間もなく連打され、プロでも無対策では高確率で撃沈します。 - 「神田鍛冶町の角の乾物屋の勝栗買ったが固くて噛めない返しに行ったら勘兵衛のかかあが出てきて癇癪起こして蹴飛ばされた」
(かんだかじちょうのかどのかんぶつやのかちぐりかったがかたくてかめないかえしにいったらかんべえのかかあがでてきてかんしゃくおこしてけとばされた)
※カ行の破裂音が延々と続く長文難問。呼気コントロールが尽きると途端に破綻します。 - 「魔術師魔術修業中、奇術師手術中、手術準備中」
(まじゅつしまじゅつしゅぎょうちゅう、きじゅつししゅじゅつちゅう、しゅじゅつじゅんびちゅう)
※ジ・ジュ・シュ・チュが複雑に絡み合い、舌の中央部が硬直しやすい難所です。 - 「ブタがブタをぶったらぶたれたブタがぶったブタをぶったのでぶったブタとぶたれたブタがぶったおれた」
(ぶたがぶたをぶったらぶたれたぶたがぶったぶたをぶったのでぶったぶたとぶたれたぶたがぶったおれた)
※バ行・タ行の破裂音が連続し、主語と述語の文脈理解が追いつかなくなるパズル型。 - 「親鴨生米噛むな子鴨生米噛め、子鴨生米噛むな親鴨生米噛め」
(おやがもなまごめかむなこがもなまごめかめ、こがもなまごめかむなおやがもなまごめかめ)
※カ行・マ行の開閉運動が高速で反転し、唇の筋肉を酷使します。