このフレーズを構成する要素を細かく分解すると、日本のサブカルチャーとプロ野球実況文化が絶妙なバランスで絡み合っていることが分かります。
まず前半の「グエー」は、昭和から平成にかけての少年漫画やギャグ漫画(藤子不二雄作品や古典的なナンセンス漫画など)で頻繁に描かれた、敵キャラクターやモブキャラクターの「やられ演出」としての記号的断末魔です。リアルな苦痛を感じさせないコミカルな響きを持っています。
一方、後半の「〜ンゴ」は、なんJを代表するスラング群「猛虎弁」の代名詞的な語尾です。この「ンゴ」の語源は、2008年シーズンに中日ドラゴンズへ移籍した元プロ野球選手、ドミンゴ・グスマン投手にあります。開幕戦の延長サヨナラ負けをはじめ、救援マウンドで痛恨の被弾を喫した衝撃的な試合展開から、ネット実況上で「やらかしてしまった状態」を「ドミンゴ → ンゴ」と呼ぶ文化が定着しました。
本来は「重大な失態・やらかし」を意味していた「ンゴ」と、古典的なやられ声である「グエー」が融合した結果、「呆気なく撃沈したものの、どこか笑えてしまう自虐フレーズ」という唯一無二のニュアンスが完成したのです。