バーチャル空間の覇権を握るANYCOLOR株式会社とカバー株式会社の動向は、この「同一人物論争」の中心地と言っていい。所属タレントの契約終了、独立、そして再デビューというサイクルは、いまやサブカルチャー界隈における日常茶飯事のニュースとなった。
企業側はタレントのIP(知的財産)を厳重に管理し、契約上の守秘義務を課す。だが、個人が長年培ってきた話術や歌唱の癖、人間的な魅力までは差し押さえられない。ファンコミュニティは、事務所から発信される公式アナウンスの行間を読み解き、タレントが残したデジタルの軌跡を追う。巨大企業によるブランディングと、クリエイター個人の作家性。その狭間で生じる軋轢と再生のプロセスこそが、熱烈な視線を集め続ける理由だ。