実習生や若手保育士にとって頭を悩ませるのが、日々の指導案への落とし込みです。本楽曲を手遊びから主活動へと発展させる際、どのような指導案を策定すれば教育的意図が明確になるのかを提示します。
保育所保育指針の「5領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)」に即した保育園でのねらいと指導案の策定例は以下の通りです。
【指導案作成のモデル例:3歳児クラス】
・活動名:音楽に合わせて電車に変身!リズム手遊びから電車ごっこへ
・ねらい:
1. 音楽のテンポやリズムに合わせて身体を動かし、表現する楽しさを味わう(表現・健康)。
2. 保育者や友だちと一緒に同じ動きを共有し、模倣や親しみの感情を育む(人間関係)。
・環境構成:座って手遊びができる円形の座席配置、フロア中央に電車ごっこ用ロープを配置。
・予想される子どもの姿:スピードの変化に興奮して立ち上がったり、隣の友だちとぶつかったりする。
・配慮事項:ぶつからないよう個人スペースをテープ等で明示し、興奮が高まった際は「ブレーキの音」を合図に静止するルールを事前に共有する。
実践における最大のハイライトは、手遊びからシームレスに電車ごっこふれあい遊びへと移行するステップです。手遊びの最後の「ポッポー!」の汽笛を合図に、保育者が「出発進行!みんなつながって!」と声をかけ、子どもたちの肩に手を置いて1本の長い列車を作ります。手遊びで共有した共通のリズム感が身体に残っているため、列が崩れにくく、集団行動が苦手な子どもも自然と輪に入り込める絶大な効果があります。
さらに4歳児・5歳児では、向かい合って行う2人組ペア手遊びのコツを導入します。互いの右手を前に出してガッタン、左手を前に出してゴットンと押し合う動きや、一方が両手でトンネルを作り、もう一方がその下を腕電車でくぐらせるコンビネーションは、他者の動きに自己のタイミングを合わせる「社会的協調性」を育む絶好の教材となります。