心理学には、選択肢が多すぎるとかえって決定が下せなくなり、選択後の満足度も低下するという「選択のパラドックス(アイエンガーらの研究)」という概念があります。1億曲が並ぶ音楽アプリの海で迷走しないためには、「完璧な万能アプリ」を探すのをやめ、自らのライフスタイルという単一の軸で割り切ることが肝要です。
おすすめできる人の条件:どのサービスを選ぶべきか
各サービスの特性に基づき、明確に合致するターゲット像を以下に定義します。
- Spotifyを選ぶべき人:「新しい音楽を能動的に掘り出したい」「作業用BGMとして途切れることなく自分好みの曲を流し続けたい」と考えるカルチャー感度の高い層。プレイリストの共有やポッドキャスト連携を重視する人に向いています。
- Apple Musicを選ぶべき人:iPhone、iPad、Mac、AirPodsなどApple製品に囲まれて生活しており、「どうせお金を払うなら最高音質(ロスレス・ハイレゾ)や空間オーディオを贅沢に味わいたい」と考えるオーディオ品質重視層。
- YouTube Musicを選ぶべき人:「サブスク未解禁アーティストのカバー音源、ライブの生歌、ボカロ曲、YouTube動画の音声」まで余すところなく聴き倒したい雑食派。YouTube Premiumに加入しているユーザーにとっては実質的な一択です。
- LINE MUSICを選ぶべき人:学生層を中心に、LINEのプロフィールBGM設定や友だちとの楽曲シェア、カラオケ採点機能など「音楽を通じたコミュニケーション」を日常的に楽しみたい層。
慎重になるべき人・おすすめできない人の条件
一方で、定額制音楽アプリの契約を見直すべき層も確実に存在します。月額1,000円前後の支出に見合わないのは、「月に数曲、特定の推しアーティストの新曲しか聴かない人」です。このタイプは無理にサブスクを維持するよりも、楽曲の単曲購入(iTunes Storeやレコチョク等)を行うか、YouTubeの公式チャンネルを適宜視聴する方が長期的なコストパフォーマンスは圧倒的に高くなります。自らの鑑賞深度を見極めずに「みんなが入っているから」と同調圧力で契約し続けることこそ、もっとも避けるべき損失です。