科学的な裏付けが乏しいにもかかわらず、なぜこの診断はこれほどまでに熱烈な支持を集め続けているのでしょうか。ネット上のコミュニティや企業現場での声を集約すると、興味深い人間心理が浮き彫りになります。
大手SNSや知恵袋、コミュニティフォーラムを定点観測すると、肯定派からは次のような声が寄せられています。
「チーム内で腕組みテストをやったら、几帳面な同僚が『ささ脳』でデザイナーが『うう脳』。笑えるくらい当たっていて、互いのコミュニケーションのズレを許せるようになった」(30代・IT企業マネジメント層)
「自分の説明がなぜ理屈っぽくなってしまうのか、この診断をきっかけに自覚できた」(20代・営業職)
一方、採用や組織運営の当事者からは強い懸念も上がっています。
「面接官研修で『右脳派だから企画向き』といった安易なラベリングをするシニア層がいて困惑した。血液型占いと同じレベルのバイアスを人事評価に持ち込むべきではない」(40代・人事部長)
「自己PRで『私は左脳派なので数字に強いです』と書いてくる就活生がいるが、客観的な実績を語ってくれないと説得力がない」(30代・採用担当)
人間には、曖昧で一般的な性格描写を自分だけに当てはまる正確なものだと信じ込んでしまう「バーナム効果」があります。さらに、自己の特性を「直感派か論理派か」というわかりやすい二元論に落とし込むことで、複雑な自己承認欲求が満たされ、他者との相違点を手軽に言語化できるという心理的メリットが、このテストの寿命を長引かせている要因です。