公道を通常通り走行していただけで命を奪われた運転手と遺族にとって、責任の所在を明確にすることは決して譲れない問題です。法的な観点において、道路の崩落事故は誰のどのような過失として裁かれるのでしょうか。
第一に問われるのが、国や自治体など道路を管理する主体に対する道路管理者 賠償責任です。日本の法律では「国家賠償法第2条1項」に基づき、道路や橋梁などの公の営造物の設置または管理に「瑕疵(かし=本来備えるべき安全性の欠如)」があった場合、管理主体は無過失責任に近い重い責任を負うと規定されています。道路に大型空洞が生じ、通常想定される車両の通行によって崩落したという事実自体が、管理上の瑕疵を強く推認させる要素となります。
実務上の過失割合 損害賠償の算定においては、走行していたトラック側に過積載や極端な速度超過などの重大な違反がない限り、運転手の過失割合は0(無過失)として扱われるのが司法判断の通例です。賠償の対象には、本人の逸失利益(将来得られるはずだった収入)、死亡慰謝料、葬儀費用、および車両損害などが含まれ、数千万円から1億円を超える請求に発展するケースも珍しくありません。また、地下管路の修繕を怠っていた下水道事業者や、周辺工事で地盤を弛緩させた施工業者に対しても、共同不法行為としての賠償責任が追及されることになります。