多くの人が無意識に行っている「綿棒で耳の奥を掃除する」「片足で激しくジャンプする」という対処法には、耳鼻咽喉科専門医が警鐘を鳴らす重大なリスクが潜んでいます。
まず、綿棒をやってはいけない理由は、綿棒の先端がピストンの役割を果たしてしまい、水分でふやけた耳垢を鼓膜の直前まで押し込んでしまう点にあります。耳垢が水分を吸って膨張すると「耳垢塞栓(じこうそくせん)」を起こし、自力での除去が極めて困難になります。さらに、濡れて柔らかくなった外耳道の皮膚は非常に脆弱であり、綿棒の摩擦だけで微細な裂傷が生じ、細菌感染の引き金となります。
また、片足ジャンプで耳の水を抜く動作は、特に子どもや高齢者において転倒・頭部打撲のリスクを高めるだけでなく、脳を過度に揺らすことによるめまいを誘発します。首や頭を強く振りすぎる動作も頸椎に負担をかけるため推奨されません。民間療法として海外の一部で語られるオリーブオイルの点耳も、鼓膜に微小な穿孔(穴)がある場合は中耳腔へ油分が侵入して重篤な感染症を招く危険があるため、自己判断で行うのは避けるべきです。