菅田将暉のボクシング挑戦で、もっとも本人を苦しめたのが減量だった。映画『あゝ、荒野』で演じたシンは、物語のなかでウェルター級からミドル級の間を推移する設定。菅田自身も撮影期間中に大幅な体重変動を経験している。
当時のインタビューで菅田は「水も満足に飲めない時期があった」「体が動かないのに動かさなきゃいけないのがしんどかった」と赤裸々に語っている。筋肉量を維持しながら体脂肪を落とすという、ボクサー特有の減量を疑似体験したことが、役への没入をさらに深めた。
ここでボクシングにおける一般的な減量の指標と、菅田将暉のケースを比較した表を示す。
このように、菅田将暉の減量は映画俳優の役作りとしては明らかに異例で、ボクサーの減量に近い過酷さだったことがわかる。公開後のインタビューで「もう一度同じことはできないかもしれない」と語ったのも、その身体的負荷の大きさを裏づけている。