地図には用途に応じた多様な表現方法が存在します。メルカトル図法の歪みを克服するために考案された代表的な図法と、それぞれの強み・弱みを比較してみましょう。
モルワイデ図法との違いにおいて特筆すべきは、地図の「何を優先するか」という目的の違いです。統計データや世界の資源分布を示す際、面積の比率が狂っているメルカトル図法を用いると誤った認知を与えるため、教育現場の統計地図では正積図法であるモルワイデ図法やサンソン図法が採用されます。
一方、正距方位図法の特徴は「中心に置いた地点からの最短距離(大圏航路)と方位が直線で表せる」点にあります。東京を中心にした正距方位図法を見ると、アメリカ大陸へ向かう航空路がアラスカ上空を経由する理由が一目で直感理解できます。
近年、世界的な注目を集めた日本発のオーサグラフ世界地図(建築家・鳴川幸広氏らが考案)は、球体を正四面体に投影したのち長方形に展開する画期的な手法により、大陸の形状と面積比の双方をほぼ破綻なく表現することに成功しました。これにより、従来の地図では分断されがちだった南極大陸や北極海を含めた地球の連続性が視覚化されています。