スーパーで購入していざ包丁を入れたら「中が白っぽくてカチカチだった」という経験は誰しもがあるはずです。ネット上では「固いアボカドは常温に戻せば切った後でも柔らかくなる」という言説が見られますが、これは典型的な誤解です。一度包丁を入れて細胞が傷ついたアボカドは、正常な追熟が進まずに雑菌の繁殖や黒ずみが先行してしまいます。
もし切る前に硬さに気づいた場合は、エチレンガスを放出するリンゴやバナナと同じ袋に入れて常温(約15〜20℃)に置くのが確実です。冷蔵庫に入れてしまうと低温障害を起こし、追熟が完全にストップして果肉が黒く変質する原因になります。
誤って切ってしまった固いアボカドの切り方と救済策としては、無理に生で食べようとせず「加熱調理」へ舵を切るのが正解です。固い状態のアボカドは皮が手でむけないため、野菜用のピーラーを使って外皮を薄く剥き、短冊切りや一口大の乱切りにします。固い果肉は加熱しても形崩れしない強みがあるため、豚肉で巻いて甘辛く焼いたり、チーズを乗せてトースターでグリルしたり、天ぷらにするとホクホクとした栗やサツマイモのような極上の食感へと生まれ変わります。