受験生家庭がしばしば混同しやすいのが、「早稲田大学の附属校」と「系属校」の法的な位置づけと制度的差異です。早稲田大学高等学院や早稲田大学本庄高等学院は、学校法人早稲田大学が直接運営する直系「附属校」です。これに対し、早稲田実業学校は学校法人早稲田実業学校という独立した学校法人が運営する「系属校」にあたります。
教育方針やカリキュラム編成に独自の裁量権を持つ系属校でありながら、高校卒業生の約98%が早稲田大学各学部への推薦入学を認められるという強固な連携関係を築いています。事実上、直系附属校と変わらない高い進学率を誇る点が大きな特長です。
しかし、早稲田大学への進学権がほぼ保障されているからといって、学内競争が存在しないわけではありません。最大の関心事は「どの学部に進学できるか」という配分選考です。
看板学部である政治経済学部(政治学科・経済学科・国際政治経済学科)や、近年の情報化ニーズで人気が沸騰する基幹理工学部・創造理工学部・先進理工学部、文系の人気を牽引する法学部・商学部への進学枠は限られています。学内推薦枠の選考は、3年間の定期試験成績から算出される評定平均、実力テストの結果、実用英語技能検定やTOEFL・TOEICなどの外部語学スコア、そして日頃の生活態度が極めてシビアに合算されます。
政治経済学部の進学枠を勝ち取るためには、学年上位約10〜15%以内の席次を3年間維持し続けることが暗黙のボーダーラインとなっています。1年次の定期試験でつまずいて評定を落とすと、後半での巻き返しが非常に厳しくなる構造です。名門校特有の「入学後の学内サバイバル」は、決して外部から見えているほど甘くはありません。