清水尋也の生い立ちを紐解く上で、欠かせない存在が実の兄である俳優・清水尚弥です。4歳年上の清水尋也の兄・清水尚弥は、映画『告白』やインディペンデントの傑作『からっぽ』『死んだ目をした少年』で主演を務めるなど、映画通の間で早くから天才肌として知られていた実力派です。
尋也自身、芸能界入りのきっかけは「兄の映画の試写会」でした。兄が出演した映画の関係者席に同席していた際、事務所関係者からスカウトを受けたことがすべての始まりです。当時のインタビューで尋也は「最初は兄のやっている仕事という認識で、自分が俳優になるなど想像もしていなかった」と語っています。
しかし、活動を重ねるにつれて兄の背中は偉大な指標となっていきました。公の場でお互いを過度に語り合うことは少ないものの、映画祭やトークイベントなどで見せる兄弟の距離感は、単なる肉親を超えた「同じ過酷な表現の世界で戦う同志」そのものです。兄・尚弥がアートフィルムや骨太な単館系で独自の芸術性を追求する一方、弟・尋也はメジャーから単館まで幅広く網羅しながら独自のカラーを刻む。互いの表現領域を認め合い、刺激を受け合う二人の関係性は、日本の俳優界における最も魅力的な兄弟関係のひとつといえます。