ここでメディア編集部として明確に否定しておかなければならないのは、「顔が歪んでいる=美容整形の失敗である」という短絡的な誤解です。この偏見が流布した背景には、過激な見出しでページビューを稼ぐまとめサイトの存在があります。
人間の頭蓋骨は23個の骨が複雑に組み合わさって構成されており、解剖学的に完全な左右対称(シンメトリー)の顔を持つ人間は地球上にほぼ存在しません。脳の右半球と左半球の働きの違いから、感情を表す表情筋の強弱にも元々左右差が存在します。さらに、スマートフォンの普及による首の傾きやストレートネック、片側だけの頬杖といった日常の微小な悪癖の蓄積が、加齢とともに表皮のたるみと相まって「顕著な非対称」として表面化してくるのです。
美容形成外科医のカルテデータを見ても、患者が「左右差を治したい」と訴えて来院した際、実際に骨格そのものを変える手術が必要なケースはごく一部であり、大半は姿勢の乱れや咀嚼癖の是正で改善が図られます。ネット上で騒がれる芸能人の変化をすべて「メスを入れた代償」と結論づけるのは、医学的事実を無視した暴論に他なりません。