同じCカップやDカップであっても、人によって見た目がまったく異なる最大の要因は、「カップ数は体積(容積)を表す単位ではない」というJIS(日本産業規格)の構造にあります。日本のブラジャー規格において、カップサイズは「トップバスト」と「アンダーバスト」の差寸だけで機械的に分類されています。差が10cm前後ならAカップ、15cm前後ならCカップ、17.5cm前後ならDカップという定義です。
しかし、立体の幾何学を考えれば明白な通り、底面の周囲長(アンダーバスト)が異なれば、同じ「差寸」であっても乳房全体の体積はまったく異なります。インナーウェア業界の設計基準データによると、同じDカップであってもアンダー65(D65)の容積は約380ccであるのに対し、アンダー75(D75)の容積は約570ccに達します。実に1.5倍もの体積差が存在するため、同じDカップという記号であっても、アンダーサイズの違いによって受ける視覚的印象が別物になるのは物理的な必然です。
さらに見逃せないのが「バージスライン(バストの輪郭・底面積)」と「突出度(前への突き出し)」の個人差です。底面積が広く平たく広がるバストは、正面から見ると面積が大きく見えるものの、横から見たときの突出が弱いため、服を着た状態では平坦に見えやすくなります。逆に底面積が狭く前へ突き出す半球型のバストは、同じ容積でも服の上から強い立体感を生み出します。この解剖学的な差異こそが、バストサイズ見た目ギャップの真相です。