「何を食べるか」と同じくらい減量結果を左右するのが「いつ食べるか」というタイミングの問題です。体内時計と栄養代謝の相互関係を解明する「時間栄養学」において、夜間の食事設計で絶対に外せない基準が就寝3時間前の食事完了と、肥満遺伝子随伴タンパク質「BMAL1(ビーマルワン)」の血中動態です。
BMAL1は、体内時計を司ると同時に脂肪の合成を促進する働きを持つタンパク質です。その分泌量は時間帯によって劇的に変動し、午後2時から3時頃に1日の最低値を記録した後、午後8時を境に急上昇します。特に午後10時から深夜2時にかけてピークに達し、昼間の最低値と比較して約20倍から50倍近くまで跳ね上がることが日本大学薬学部の研究などで明らかになっています。つまり、全く同じカロリーや糖質量であっても、午後7時に食べるのと深夜11時に食べるのとでは、体脂肪として蓄積されるリスクが段違いに跳ね上がるのです。
残業やシフト勤務でどうしても夕食が21時以降になってしまう多忙なビジネスパーソンには、「分食(ぶんしょく)」の導入が極めて有効です。夕方17時〜18時前後のBMAL1が低い時間帯に、おにぎり1個やバナナなどの炭水化物をあらかじめ摂取しておきます。そして帰宅後の夜遅い時間帯には、具だくさんの味噌汁や豆腐、サラダチキンなど「糖質ほぼゼロ・消化に優しい温かいタンパク質」だけをつまむ。この時間差戦略をとるだけで、深夜のドカ食いを防ぎつつ、脂肪蓄積ホルモンの分泌を最小限に抑え込むことが可能です。