ネット上の掲示板やSNSでは、定期的に「小泉進次郎は学歴詐称をしている」「裏口入学のペテンだ」といった過激な論調が浮上します。しかし、客観的なファクトチェックを行えば、それらの多くが事実無根のデマや制度への無理解から生じていることが明らかになります。
「学歴詐称」は完全な虚偽、取得したのは正規の政治学修士号
一部の政治家で見られるような「短期研修プログラムを修了しただけなのに大学院卒と偽称する」といったケースとは異なり、進次郎氏が取得したのはコロンビア大学大学院(Graduate School of Arts and Sciences)の正規課程による「政治学修士(Master of Arts in Political Science)」です。同大学の卒業生名簿にもその名は明確に刻まれており、経歴詐称に該当する要素は一切ありません。
なぜ「学歴ロンダリング」と揶揄され続けるのか?
ではなぜ、ここまで「学歴ロンダリング」という批判が根強く付きまとうのでしょうか。その構造的背景には、日本社会に根深く残る「ペーパーテストによる学部入試偏差値への信仰」があります。日本の受験競争においては、高校3年生の時点での筆記試験の一発勝負で人生の序列が決まるという価値観が共有されてきました。そのため、「学部時代に関東学院大だった人物が、慶應や東大を飛び越えて世界屈指の名門大院に入る」というルートそのものが、偏差値ピラミッドを信奉する層から見れば「抜け道を使ったズル」と映ってしまうのです。
大学院修了後、ワシントンD.C.にある世界屈指の超党派シンクタンク「CSIS(戦略国際問題研究所)」に非常勤研究員として籍を置いた経歴も、同様の批判を浴びました。CSISはリチャード・アーミテージ元国務副長官など知日派の大物が集う組織であり、日本の若手政治家候補が国際政治の現場を学ぶには最高峰の舞台です。ここへの推薦にも政界の太いパイプが機能したのは明白ですが、同時に米国の外交安保政策の最前線で生の知見を吸収したことは、その後の彼の政治家としての大きなアドバンテージとなっています。