サッカーファンの間で最大の関心事となっているのが、北米共催大会に挑むフランス代表の陣容とチームコンディションです。前線から最終ラインに至るまで欧州主要メガクラブの主力がひしめく選手層は、48カ国制へと拡大された今大会においても屈指の総合力を誇ります。しかし、その内部構造は前回大会から劇的な変貌を遂げています。
中盤と前線のリンクマンとして攻守に絶大な貢献を続けてきたアントワーヌ・グリーズマンの代表引退は、戦術面だけでなくロッカールームの空気感にも小さくない変化をもたらしました。デシャン監督は長年培ってきた「勝負強さの黄金律」を維持すべく、新戦力の抜擢を進めています。バイエルン・ミュンヘンで覚醒したマイケル・オリーズや、パリ・サンジェルマンの鋭利なアタッカーであるブラッドリー・バルコラらが定位置争いに名乗りを上げ、攻撃陣のスピードと破壊力は歴代屈指の領域に達しています。
一方で、守備陣と中盤の構成には慎重な見極めが続いています。オーレリアン・チュアメニとエドゥアルド・カマヴィンガのレアル・マドリード勢を中心とした中盤の設計は、かつてのポール・ポグバやエンゴロ・カンテが担った圧倒的なボール奪還力・展開力と比較されがちです。フランスサッカー連盟(FFF)の公式発表資料や代表戦のスタッツを精査すると、ポゼッション時の支配率は平均58.4%と高水準を保ちながらも、トランジション局面における被カウンターの被弾リスクが課題として浮き彫りになっています。