事態が一変したのは、2024年晩夏列島を襲った大型台風10号でした。駿河湾に面した富士海岸の至近に位置するマリンプールは、記録的な高波と高潮による直撃を受けました。防潮堤を乗り越えた海水と膨大な砂浜の土砂が敷地内へ雪崩れ込み、園内は一瞬にして変わり果てた姿となりました。
特に被害が深刻を極めたのが、プールの循環・ろ過・水質管理を司る地下機械室の水没です。電気設備や大型ポンプ、配管系統が塩分を含む海水と細かな砂粒子に完全に浸かったことで、基幹設備は修復不可能なレベルの致命的な打撃を受けました。
現地を観察すると、かつて子どもたちの歓声が響いていた流れるプールや波のプール、シンボル的存在であったウォータースライダーの着水面には、風雨と堆積物が残した痛々しい傷跡が確認できます。プールの躯体そのものの亀裂や地盤沈下の懸念も指摘されており、単に「泥をかき出して水を張れば動く」という状態からは程遠い現実がそこに横たわっています。