新快速Aシートをめぐって、駅のホームや車内で今なお散見されるのが「飛び乗りトラブル」です。2019年3月のサービス開始当初、Aシートは「乗車整理券(500円)」を車内で係員に現金等で支払って着席する定員制の自由席スタイルを採用していました。当時の感覚が頭に残っている利用者が、ホームに滑り込んできた新快速の9号車(Aシート車両)の空席に腰掛け、車掌が巡回してきたタイミングで「清算してください」と申し出る光景が今も後を絶ちません。
しかし、JR西日本は段階的な実証実験を経て、Aシートを完全な「全席指定席」へと移行させました。これに伴い、新快速Aシート車内精算廃止という厳格な運用ルールが敷かれています。車掌が携帯端末で車内精算用の座席指定券を発行する業務自体が存在しないため、指定席券を持たずに着席した乗客は、どれだけ車内が空いていようとも普通車(自由席車両)へ即座に移動するよう案内されます。
取材に応じたJR西日本の駅係員は次のように明かします。「夕方のラッシュ時、疲れ切ったビジネス客が『お金を払うから座らせてほしい』と車内で懇願される場面がありますが、システム上、車内発券は不可能です。後からその席の正規指定券をお持ちのお客様が来られた場合、深刻なトラブルに発展するため、例外なくご移動をお願いしています」。
つまり、正しい新快速有料座席乗り方の鉄則は、「乗車前に必ず指定席券を購入しておくこと」に尽きます。新快速が停車する直前であっても、手元のスマートフォンさえあれば数十秒で座席を確保できるため、事前の購入手順を把握しておくことが何よりも重要です。