教育現場や受験生を持つ家庭の実態を紐解くと、制度の狭間で悲鳴を上げる中間層の姿が浮き彫りになります。都内の大手進学塾に通わせる保護者や、私立中高一貫校へ子どもを入学させた家庭の生の声を取材すると、助成金への過度な期待が大きな誤算を生んでいる現状が浮き彫りになります。
「長男が私立中学に入学した際、周囲の保護者から『高校になれば都の無償化があるから、中学の3年間だけ踏ん張れば大丈夫』と励まされました。しかし、いざ入学してみると授業料以外にかかる費用が想定の倍以上でした。年間10万円の助成金も世帯年収でわずかに弾かれ、毎月の引き落としを見るたびに胃が痛くなります」(都内在住・IT企業勤務の40代父親の手記引用より)
私立中高一貫校で発生するコストは、授業料だけにとどまりません。制服代・指定鞄代(約15万〜20万円)、施設拡充費、毎月の修学旅行積立金、タブレット端末代、さらには学校の進度についていくための補習塾代など、いわゆる「隠れ教育費」が雪だるま式に膨らみます。
SNSや保護者の情報交換コミュニティ(知恵袋や学校情報サイト等)でも、「都の助成金10万円をあてにしていたが、審査基準が厳しすぎて落ちた」「高校の無償化が派手に報じられたせいで、祖父母からの教育資金援助が『もう都が払ってくれるんでしょ』と打ち切られて困惑した」というリアルな告白が少なくありません。実質無償化が実現している高校とは異なり、私立中学の在籍期間は家計にとって最もキャッシュアウトが激しい「魔の3年間」となっているのです。