秋元康氏がこれまでに手掛けた女性アイドルプロジェクトは、単一の傘下組織ではなく、運営母体やレコード会社、資本関係が異なる独立したプロジェクトの連合体です。まずは全体像を整理するため、現在も活動を継続している主要プロジェクトから過去の象徴的グループまで、秋元康グループ一覧の系譜を俯瞰します。
原点となる「48グループ」は、秋葉原のAKB48を皮切りに、名古屋のSKE48、大阪のNMB48、博多のHKT48、新潟のNGT48、瀬戸内のSTU48と国内6拠点を展開。さらにJKT48(ジャカルタ)やBNK48(バンコク)など海外姉妹グループへと拡大しました。「会いにいけるアイドル」を標榜し、日々の劇場公演と総選挙・握手会をエンジンとしたビジネスモデルは、2010年代の国民的ブームを築きました。
これに対し、2011年に「AKB48の公式ライバル」としてソニー・ミュージックエンタテインメントとタッグを組んで立ち上げられたのが「坂道シリーズ」です。乃木坂46を筆頭に、欅坂46から改名して独自の前衛性を開拓した櫻坂46、けやき坂46(ひらがなけやき)から幸福感を前面に打ち出して独立した日向坂46、そして吉本興業と組んだ吉本坂46(現在は活動休止中)へと連なります。
さらに近年では、テレビ朝日と連動した過酷な入れ替えバトルが話題を呼んだラストアイドル(2022年活動終了、のちに新体制へ移行)、乃木坂46の公式ライバルとしてエイベックスと仕掛けた僕が見たかった青空(通称:僕青)、オーバース社による暗号資産(NIDT)調達を軸としたメタバース対応型アイドルWHITE SCORPION(ホワイトスコーピオン)など、次々と新たな座組みが立ち上がっています。秋元康プロデュースアイドル現在の様相は、伝統的な握手会依存型からデジタルネイティブ型へとポートフォリオの再編が進んでいます。