グループ脱退から9年後の2020年10月31日、山下智久は長年在籍したジャニーズ事務所を電撃退所した。この山下智久のジャニーズ退所理由には、キャリアを賭けた極めて切迫した事情が存在していた。
2020年8月、一部週刊誌による未成年同席飲食報道を受けて一定期間の芸能活動自粛処分が下されていた最中、カナダで撮影が予定されていた大作ハリウッド映画『マン・フロム・トロント』(The Man from Toronto)への出演オファーが舞い込んだ。映画製作側から提示された合流期日は11月。しかし、山下の事務所契約満了日は同年12月末であった。
事務所側との協議の末、契約満了を待っていては国際的なチャンスを逃すと判断した山下は、活動自粛期間中であるにもかかわらず、契約前倒しでの即時退所を決断。この一連の動きにより、最大の被害を被ったのがKAT-TUNの亀梨和也とのスペシャルユニット「亀と山P」のプロジェクトであった。
日本テレビ系ドラマ『野ブタ。をプロデュース』から15年の時を経て再結成され、ドームツアーとオリジナルアルバム『SIREN』のリリースが告知されていた。しかし、退所発表に伴い亀と山Pのアルバム発売中止が正式にアナウンスされ、予約注文を完了していたファンは深い失望に包まれた。自らの世界挑戦の代償として、盟友・亀梨との約束や長年のファンへの恩義を天秤にかけざるを得なかったこの出来事は、山下のキャリアにおいて最も痛烈な爪痕を残した決断となった。