一昔前の高校野球で当たり前だった「ひたすらの走り込み」や「根性論」は、現在の沖縄尚学には存在しない。新垣の凄まじい球威を支えているのは、最新のバイオメカニクスと沖縄特有の身体操作トレーニングの融合だ。
古来より沖縄に伝わる身体技法や古武術の動きを取り入れた独自のストレッチプログラムにより、股関節と肩甲骨の可動域はプロ並みの柔軟性を誇る。そこに加わるのが、コンディショニングコーチによる厳密な負荷管理だ。球速が直近1年で6キロ上昇し、最速153キロに達した背景には、過度な疲労を溜め込まずに筋肉の出力効率を高める科学的裏付けがあった。無駄のないしなやかなフォームから繰り出される一球一球は、見る者に「打てる気がしない」という強烈な絶望感を与える。