中学生となり、身体つきも急速に大人びてきた新之助。声変わりという、歌舞伎俳優にとって避けては通れない大きな壁に、彼は今まさに直面している。かつての澄んだ高音から、深みのある低音へと変化する過渡期。これは、発声法やセリフ回しの技術を根本から見直さなければならない過酷な時期だ。
関係者によると、彼は楽屋裏でも喉のケアを徹底し、新しい発声の感覚を掴むために日々地道な稽古を繰り返しているという。少年から青年へと脱皮するこの瞬間こそ、役者としての真価が問われる。彼が見せる「もがき」は、単なる成長痛ではなく、大名跡を継ぐ者としてのプロフェッショナルな闘いそのものである。