カルピス100年史の真相|内モンゴルから初恋の味、アサヒ統合へ

カルピス100年史の真相|内モンゴルから初恋の味、アサヒ統合へ

今注目を集めている カルピス100年史の真相|内モンゴルから初恋の味、アサヒ統合へについて、詳しいまとめをご紹介しています。

100年を超えるブランドには、様々な都市伝説やネット上の誤解がつきまといます。ここでは公式記録や実態調査をもとに、世間で誤認されがちなポイントを正しく検証します。

誤解1:海外で「Calpico(カルピコ)」と呼ばれる理由は味の違い?

海外旅行や出張の際、北米やアジアのスーパーで「Calpico」というロゴを見たことがある方も多いでしょう。ネット上では「海外向けに甘さを変えているから名称を変えた」という噂が散見されますが、これは明確な誤りです。

英語圏でカルピス(Calpis)の名称を変更した理由は、発音上の問題です。英語のネイティブスピーカーが「Calpis」を発音すると、「Cow piss(牛の小便)」と極めて酷似した音に聞こえてしまうためです。食品・飲料として致命的な連想を避けるため、英語圏市場に進出するにあたり「Calpico(カルピコ)」という国際ブランド名が制定されました。中身の基本的な製法や乳酸菌ブレンドは、日本のカルピスと同じ哲学で作られています。

誤解2:味の素からアサヒへ|「身売り」による経営破綻だったのか?

カルピスは1990年代以降、資本の変遷を経験しています。1997年に味の素の連結子会社となり、その後2012年にアサヒグループホールディングスが味の素からカルピス社の全株式を約1200億円で取得。2016年にはアサヒ飲料へ機能統合されました。

この経緯について「カルピスが経営危機に陥って買収された」と捉える向きがありますが、実態は異なります。味の素傘下時代もカルピスは安定した利益率を誇る優良企業でした。しかし、清涼飲料業界全体で自販機網の維持費や流通プラットフォームの寡占化が進む中、飲料事業を中核事業と位置づけるアサヒグループと、アミノ酸・食品調味料に資源を集中させたい味の素のグローバル戦略が一致した結果の事業譲渡でした。アサヒ飲料の傘下に入ったことで、カルピスは強固な物流・自販機網を獲得し、研究開発への集中投資を継続することが可能になったのです。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。