角界追放の憂き目に遭った大砂嵐が次に選んだステージは、総合格闘技のリングでした。2018年5月、電撃的に格闘家転向を表明し、大手格闘技イベント「RIZIN」との契約を発表します。
デビュー戦の舞台として用意されたのは、2018年9月30日にさいたまスーパーアリーナで開催された「RIZIN.13」。対戦相手は、かつてK-1やPRIDEで一世を風靡した“野獣”ボブ・サップでした。相撲界随一のパワーファイターと巨漢格闘家のマッチアップは、メディアやファンの間で大きな注目を集めました。
しかし、大砂嵐のボブ・サップ戦は、相撲と総合格闘技の壁の厚さを残酷なまでに露呈する結果となりました。特別ルール(3分3ラウンド)で行われた試合は、1ラウンド目こそ持ち前の突進力と豪快な打撃でサップを金網際まで追い詰めたものの、相撲特有の短時間爆発型エネルギー消費が災いし、2ラウンド以降は急激にスタミナを喪失。最終第3ラウンドには両者ともに息が上がり、泥仕合の様相を呈しながらフルラウンドを戦い抜く形となりました。
判定は0-3でサップの勝利。相撲仕込みの圧倒的な膂力(りょりょく)は見せたものの、打撃技術の粗さ、ポジショニングの未熟さ、そして何より総合ファイターとしてのスタミナマネジメントの欠如が浮き彫りとなり、以後のRIZIN本戦への継続参戦は立ち消えとなってしまいました。