かつて「薄い珈琲」と揶揄されることもあったアメリカンコーヒーですが、2020年代以降のスペシャルティコーヒー文化(サードウェーブ)の浸透によって、その評価は劇的な変化を遂げています。
SNSや大手レビューサイト、珈琲コミュニティにおける消費者の生の声を分析すると、次のような意識の変容が見て取れます。
「昔は喫茶店のアメリカン=水っぽい手抜きだと思っていたが、浅煎りのシングルオリジンを飲み慣れた今飲むと、非常に合理的でフルーティーな設計だったと気付かされる」「デスクワークで何杯も飲む際、深煎りの強い苦味は胃に負担がかかるが、アメリカンスタイルなら紅茶感覚で一日中クリアに飲める」といった肯定的な再評価が多数を占めています。
昭和の日本人が直感的に求めた「重厚すぎず、日常的に楽しめる軽快な珈琲」というニーズは、現代のライトロースト・トレンドと本質的に直結していたと言えます。