大阪を訪れる旅行者の多くが、紙袋を手に笑顔で歩く姿を見かける。「りくろーおじさんの店」の歴史は、1956年に西村陸郎氏が大阪市市岡で創業した「千鳥屋」にまで遡る。当時の日本の製菓業が洋風化の波に乗る中、彼は「安くて本当に美味しいものを届けたい」という一心で独自の商品開発に邁進した。
やがて1984年、焼きたてチーズケーキの販売を開始。焼きたてのベルが鳴るたびに店内に行列ができる光景は、いつしか大阪の名物風景となった。高級な洋菓子が主流だった時代に、手に取りやすい価格でありながら圧倒的な品質を提供するスタイルは、関西スイーツ文化に革新をもたらしたのだ。