投手が2回目の肘側副靭帯再建術(Revision UCL Reconstruction)を受ける際、最大の関心事は「再び以前のように腕を振れるのか」という復帰率の現実です。米国整形外科学会(AAOS)や米スポーツ医学誌『AJSM』に蓄積されたMLB投手の追跡調査データ、ならびに球団診療記録の集計結果は、極めてシビアな現実を示しています。
1度目のトミージョン手術を受けたプロ投手のマウンド復帰率は一般に80〜90%前後と高い水準を誇ります。しかし、これが2回目となると、復帰率はおおむね60〜75%程度にまで低下します。さらに「メジャーまたはプロ一軍の舞台で、術前と同等以上の投球回数をこなす」という厳格な成功基準を設けた場合、その成功率は50%前後にまで落ち込むのが客観的なデータです。
以下の比較表は、1回目と2回目のトミージョン手術における主要指標の違いをまとめたものです。
復帰率が低下する解剖学的理由として、初回手術で開けた上腕骨と尺骨の「骨トンネル(骨孔)」の広がりや骨質の劣化が挙げられます。以前に移植した腱を取り除き、傷跡(瘢痕組織)を慎重に剥離した上で、新たな腱を定着させる作業は極めて高度な外科技術を要します。単純に「もう一度同じ手術をする」わけではない点が、2度目の難しさを物語っています。