どんな習い事にも向き不向きは存在します。三味線を始めてすぐに壁にぶつかり、挫折してしまう人には明確なパターンがあります。
最も苦戦しやすいのは、「最初から完璧な演奏を求めて頭で考えすぎてしまう人」です。三味線にはフレット(音を区切る金属のバー)がないため、ミリ単位の指の位置と自分の耳を頼りに音を作っていきます。理屈で正解を探そうとするあまり、音を出すこと自体を恐れてしまうと、演奏がぎこちなくなってしまいます。
また、三味線の独学には明確な限界が存在する点も知っておくべき現実です。ピアノやギターと比べ、三味線は教則本や動画コンテンツの選択肢が限られており、何より「構え方」と「撥の当て方」の微妙なズレを自己修正するのが困難です。
初心者が独学を続けると、以下のような落とし穴に陥りがちです。
- 撥の角を皮に引っ掛けてしまい、良い音が出ないばかりか高価な皮を破いてしまう
- 左手親指の支え方が定まらず、ポジション移動のたびに楽器がグラつく
- 勘所を耳ではなく視覚だけで探してしまい、顔が下を向いた窮屈な姿勢が定着する
悪いフォームが一度筋肉に記憶されてしまうと、後から修正するには数倍の時間がかかります。初期段階だけでもプロの対面指導を受けることが、挫折を防ぐ最大の防壁となります。