アメリカン・コッカー・スパニエルの性格は、「天真爛漫」「メリー・コッカー(陽気なコッカー)」と称される通り、人間が大好きで常に感情をストレートに表現します。家族に対して深い愛情を注ぎ、他者や他の犬に対しても社交的な個体が多い点が最大の魅力です。
一方で、過剰な興奮や執着心が思わぬトラブルを引き起こす側面もあります。特に相談が多いのが「興奮時の甘噛み・噛み癖」と「フードやオモチャに対する所有欲(リソースガーディング)」です。
鳥猟犬は獲物をくわえて運ぶ(レトリーブする)本能を持つため、口を使った遊びに執着します。子犬期に人の手をオモチャ代わりに噛ませていると、成犬になり体重12kgの顎の力で強く噛んでしまう事態に発展します。興奮した瞬間に人間の指示で冷静さを取り戻せる「オスワリ」「マテ」、くわえた物を自発的に離す「オフ(ちょうだい)」のコマンドを、子犬期から徹底して反復トレーニングすることが不可欠です。
また、非常に甘えん坊で家族への依存度が高いため、幼少期から1頭で落ち着いて過ごすクレートトレーニングを行わないと、激しい後追い、留守番時の破壊行動、自傷行為を伴う「分離不安症」を発症しやすい傾向があります。適度な距離感を保つ「心理的バウンダリー(境界線)」を意識した接し方が健全なメンタルを育みます。