栗山氏の生き方を語る上で欠かせないのが、北海道夕張郡栗山町にある自宅兼施設「栗の樹ファーム」の存在です。名字と同じ名前であるという縁から始まった町との交流ですが、栗山氏は単なる別荘としてではなく、2000年代初頭に生活の拠点を完全にこの地へ移しました。
栗の樹ファームは、少年野球ができる天然芝の球場、往年の名選手たちのユニフォームやバットが並ぶミュージアム、そしてログハウス造りの自宅から構成されています。栗山氏はオフシーズンや多忙なスケジュールの合間を縫って、自ら芝刈り機に乗り、トンボを持ってグラウンド整備を行っています。
地域住民やファンの間では、栗山氏の飾らない人柄を示す独身エピソードが数多く語り継がれています。
- 近隣住民への手料理と挨拶:町内のスーパーで一人分の食材を買い出し、自分で簡単な自炊を行いながら、すれ違う町民一人ひとりに帽子を取って挨拶を交わす日常。
- 子供たちへのグラウンド開放:「野球の原風景を残したい」という想いから、私財を投じて作った球場を地元の子供たちに無償で開放し、自らノックを打つ姿。
- 膨大な蔵書に囲まれた夜:テレビや娯楽を排し、夜遅くまで野球技術論や東洋哲学の書籍に没頭する求道僧のような夜間ルーティン。
「家族を持たない代わりに、町全体が自分の家族であり、野球を志す若者たち全員が自分の子供である」——。栗山町での暮らしぶりからは、孤独感とは対極にある、豊かで温かいコミュニティとの共生が見て取れます。