夜に咲く花の世界は草花だけにとどまりません。過酷な乾燥地帯を生き抜くサボテンの夜に咲く花たちもまた、目を見張る美しさを誇ります。
例えば、果実として知られるドラゴンフルーツ(ピタヤ)の原種や、巨大な柱サボテンの仲間は、体内に蓄えた貴重な水分を失わないよう、気温が下がる夜間に直径20センチを超える巨大な花を一斉に咲かせます。これらの花は主に熱帯性のコウモリや大型の蛾を引き寄せるため、野性味あふれる独特の芳香を放ちます。
また、花木の代表格として外せないのが「夜香木(ヤコウボク)」、別名ナイトジャスミンです。ナス科の常緑低木で、昼間は緑がかった目立たない小さな筒状の花を閉じていますが、夜の訪れとともに開花し、周囲一帯を包み込むほどの強烈で甘美な香りを漂わせます。一鉢あるだけでベランダ全体が香気で満たされるため、芳香植物の愛好家から絶大な支持を集めています。