「自然治癒するなら、高価な抗ウイルス薬は飲む必要がないのではないか」という議論は、医療従事者の間でも頻繁に交わされています。現在、国内の一般診療所で最も処方されている経口抗ウイルス薬が、塩野義製薬が開発したゾコーバ(一般名:エンシトレルビル)です。
新型コロナ治療薬ゾコーバの効果について、臨床試験(第III相試験)の確定データでは、発症後72時間以内に服用を開始した場合、5つの主要症状(倦怠感、熱っぽさ/発熱、鼻水/鼻づまり、喉の痛み、咳)が消失するまでの時間を約24時間(丸1日)短縮させることが実証されています。さらに、服用群では投与開始24時間後のウイルス力価が未服用群に比べて30分の1以下に激減し、後遺症(Long COVID)の発症リスクを約25%低下させるという追跡研究データも報告されています。
しかし、現場での処方には現実的なハードルも存在します。公費全額負担が終了した現在、3割負担の場合でもゾコーバの薬剤費は約1万5,000円前後の自己負担が発生します。また、高血圧薬や精神科薬、脂質異常症治療薬など30種類以上の併用禁忌薬が存在するため、誰でも手軽に飲める薬ではありません。服用者からは「喉の痛みが翌日にはスッと引いた」という絶賛の声がある一方、「数日早く治るためだけにこの金額を出すべきか迷った」という本音も聞かれます。
以下の表は、コロナ罹患時に選択される主な対処法の比較データです。