映画史に残る名コンビとして知られるジョニー・デップとティム・バートン監督のタッグ作品において、ひときわ異彩を放っているのが『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカ役です。『シザーハンズ』や『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』など、数々の名作を世に送り出してきた黄金コンビだからこそ到達できたキャラクター造形でした。
デップが明かしたウィリー・ウォンカの役作り秘話によると、あの独特な高音のトーンや過剰に明るい振る舞いは、アメリカの伝説的な子ども番組司会者たちや、ポップアートの旗手アンディ・ウォーホルからインスピレーションを受けたものです。「大人の世界を知らないまま巨大な富を手にしてしまった孤独な子ども」という精神構造を具現化するため、完璧に整えられた白い義歯やシルクハット、ボブカットのウィッグといった外見のディテールに至るまで徹底的なこだわりが注ぎ込まれました。
子どものような無邪気さと、他者への冷淡な残酷さが同居するウォンカの佇まいは、バートン監督のダークでポップな美術世界と共鳴し、唯一無二の存在感を確立しました。