記録的な大ヒットとなった劇場版「鬼滅の刃」無限列車編は、日本映画史の興行収入記録を塗り替えた。この異例の成功の立役者となったのが、映像制作を担当したufotableだ。同スタジオが誇る圧倒的な光の表現、疾走感あふれる3DCGと手描き作画の融合は、世界の観客を圧倒し、アニメーション表現の新たな金字塔を打ち立てた。
だが、ufotableが打ち立てた高すぎる映像美のハードルは、同時に他社や業界全体に対する「呪縛」ともなった。すべての主要作品に『無限列車編』級の作画密度が求められる風潮が定着し、中堅・小規模のスタジオは制作コストの高騰と人材流出に直面している。神業とも言える特定のスタジオの努力に依存する構造は、業界全体の底上げどころか、二極化を加速させる要因となった。