無限城で対峙した獪岳との決着シーンは、善逸の精神的成長と戦闘力の極限が描かれた白眉の場面です。上弦の陸となった獪岳は、血鬼術によって皮膚や肉を黒くひび割れさせ、自らの雷の呼吸(弐ノ型〜陸ノ型)を殺傷力の高い黒い雷撃へと強化していました。善逸の「技一覧」を比較しても、多彩な連続攻撃を放つ獪岳に対し、善逸の手札はあまりに貧弱に見えました。
しかし、善逸が放った漆ノ型は、上弦の鬼となった獪岳の動体視力すら完全に置き去りにしました。目にも留まらぬ速度で間合いを詰め、放たれた斬撃は巨大な雷竜の幻影を纏い、衣服や周囲の空気を摩擦熱で発火させながら獪岳の頸を一瞬で切り落とします。壱ノ型を極限まで研ぎ澄ました善逸の神速は、もはや「雷」という自然現象の枠組みを超え、神の名を冠するにふさわしい破壊力を獲得していたのです。