大後寿々花の足跡を語る上で欠かせないのが、世界を驚嘆させた子役時代の卓越した実績です。彼女のキャリア初期における代表作は、今なお日本映画史・ドラマ史における重要なメルクマールとなっています。
2005年、巨匠スティーヴン・スピルバーグ製作、ロブ・マーシャル監督のハリウッド映画『SAYURI』(Memoirs of a Geisha)において、主演のチャン・ツィイー演じるヒロイン・さゆり(千代)の幼少期役に抜擢。渡辺謙の推薦をきっかけにオーディションで射止めたこの役で、彼女が見せた神秘的な瞳と切なさを帯びた感情表現は、米国内外の映画賞で絶賛され、第29回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しました。
さらに2007年には、日本テレビ系ドラマ『セクシーボイスアンドロボ』で連ドラ初主演(松山ケンイチとのW主演)を果たします。七色の声を使い分ける14歳の少女・林二湖(ニコ)役を圧倒的なリアリティとキュートさで演じ切り、第53回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演女優賞を受賞。同世代の女優たちとは一線を画す演技力の高さを広く知らしめました。
そして2012年、映画『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八監督)では、吹奏楽部の部長・沢島亜矢役を好演。片思いの相手を屋上から見つめ、校舎の片隅でアルトサックスを吹き鳴らす葛藤と狂気を繊細に演じ分け、第36回日本アカデミー賞優秀作品賞を受賞した同作のアンサンブルキャストとして極めて重要な役割を果たしました。