ネット上の掲示板やSNSをリサーチすると、プラスチック製ワイングラスに対して「表面が白っぽく曇っている」「金型の継ぎ目(パーティングライン)が指に引っかかる」「軽すぎておもちゃのようだ」といった手厳しい声が散見されます。こうした低評価が生まれる最大の要因は、100円ショップや簡易パーティー用として流通しているアクリル樹脂やスチレン系プラスチックの質感に起因しています。
しかし、食器メーカーの開発担当者への取材によると、近年の製造技術は長足の進歩を遂げています。最新のハイエンドモデルでは、超精密金型加工によって成形痕を極限まで不可視化し、金型の冷却制御によって樹脂特有のひけ(表面の窪みや歪み)を解消しています。実際に光を当てて屈折率を測定しても、一般のソーダガラスと識別が困難なレベルに到達しており、安っぽさという偏見は明確な世代交代を迎えています。
さらに注目すべきは「重さの設計」です。軽すぎることが安っぽさにつながるというユーザー心理を分析し、台座(ベース)部分に意図的な厚みを持たせて低重心化を図るブランドが登場しています。手に取った瞬間のしっとりとした重量バランスが、グラスとしての品格を巧みに演出しています。