「ナプキンと違ってドロッとした不快感がないから、生理中であることを忘れてしまう」――これは、SNSのコミュニティや知恵袋などで後を絶たない告白です。タンポンは正しく無痛領域(膣の奥約3分の2にあたる知覚神経の少ないエリア)に収まると、装着している感覚がほぼ消失します。この利便性の裏返しとして存在する「忘却のワナ」こそが、放置事故を引き起こす最大の要因です。
ネット上の投稿を検証すると、「飲み会で寝落ちしてしまい、翌朝まで14時間放置していた」「すでに入っているのを忘れて、2本目を挿入してしまいパニックになった」といった戦慄の体験談が多数散見されます。中には「数日後に異臭がして産婦人科に駆け込んだら、取り出し忘れたタンポンが腐敗しかけていた」という深刻な医療事例も報告されています。
婦人科専門医の臨床報告によると、タンポンを12時間以上放置した患者の膣内は、強烈な腐敗臭を放ち、膣壁が真っ赤に炎症を起こしているケースが珍しくありません。恐ろしいのは、初期段階では局所の強い痛みが現れにくい点です。炎症が静かに進行し、高熱や血圧低下などの全身症状が出現した時には、すでに集中治療が必要な重症病態に陥っている危険があります。