カレンダーを注意深く眺めると、2月11日の表記が「建国記念日」ではなく「建国記念の日」となっていることに気づく。この「の」という助詞の有無には、法的な根拠と歴史的な政治決断が隠されている。
昭和41年(1966年)に改正された「国民の祝日に関する法律」において、この日は「建国をしのび、愛国心をはぐくむ」日として定められた。日本政府や内閣府の記録によれば、アメリカの独立記念日のように「確実な史実として国が成立した日」を直接祝うのではなく、「日本という国家が成立したこと自体を思い起こし感謝する」というニュアンスを込めるため、「の」が挿入された経緯がある。
当時、歴史学界や野党からは「神話に基づく日を確定した建国の日とするのは学術的根拠に欠ける」との強い反発があった。これに対し、従来の伝統を重んじる立場との激しい議論の末、政治的な妥協点として生まれたのが「建国記念の日」という慎重な命名だったのだ。