生成AIが日常化した2026年現在、単に答えを検索する能力の価値は暴落した。同校の授業で最も重視されているのは、AIにどのような前提条件を与え、どう問うかという「課題設定力」だ。数学や理科の授業でも、問題の解法を暗記させるのではなく、現象の裏にある法則性を自ら仮説立て、データを用いて検証するPBL(課題解決型学習)が軸に据えられている。
「AIが答えを出してくれる時代だからこそ、人間は『なぜその問題に取り組むのか』という本質的な動機を突き詰めなければならない」。ある指導教諭は熱っぽく語る。倫理的な側面を含めたテクノロジーとの付き合い方を中学生の段階から議論させることで、ツールに振り回されない自律した思考回路が磨かれていく。