チームの主将を務めた黒尾鉄朗との関係性も、夜久衛輔を語る上で欠かせない要素だ。1年次に出会った二人は、性格もプレースタイルも対照的で、当初は激しい衝突を繰り返していた。身長のことや些細なこだわりで喧嘩が絶えなかった二人が、やがてチームの双璧として強固な信頼を築いていく過程は胸を打つ。
音駒の横断幕に掲げられた「繋げ」の理念を、誰よりも身体で体現したのがこの二人だった。フロントで敵の攻撃を絞り込む黒尾のブロックと、バックで確実に拾い上げる夜久のレシーブ。この洗練されたトータルディフェンスこそが、音駒高校男子バレーボール部を全国の強豪たらしめた最大の武器であった。