「畳の上にマットを敷いたらカビだらけになった」というトラブルは、単なる掃除不足ではなく物理的なメカニズムによって引き起こされます。い草で作られた本畳は、1畳あたり約500mlの水分を吸放出する天然の調湿機能を備えています。部屋の湿度が高いときは湿気を吸い、乾燥すると吐き出すことで室内の湿度バランスを保っています。
しかし、塩化ビニール製のクッションフロアや裏地がゴム製のジョイントマットを敷き詰めると、い草が放出しようとした湿気がマットの裏面に閉じ込められます。住環境データによると、密閉された畳の表面温度が20〜30℃、湿度が75%を超えるとカビの菌糸が一気に増殖し、それをエサにするチリダニやツメダニが爆発的に繁殖します。
畳ベッドマットレスの直置きが推奨されないのも全く同じ理由です。人間が一晩にかくコップ1杯分(約200ml)の汗が畳とマットレスの接地面に滞留し、わずか数週間で目に見えるカビのコロニーを形成してしまいます。