なぜ選手たちは叫ぶのか。その理由は感情の爆発だけではない。スポーツ心理学の視点から見ても、声を張り上げる行為には明確かつ科学的なメリットが存在する。
最も知られているのが「シャウティング効果」だ。インパクトの瞬間に大声を発することで、脳の無意識のブレーキ(安全装置)が解除され、一時的に筋肉の最大出力を引き出すことができる。重量挙げやテニスの選手がインパクト時に声を出すのとまったく同じメカニズムだ。さらに、息を激しく吐き出しながら声を出すことで体幹が固定され、スイングの軸が安定する生理的効果も生まれる。コンマ数秒で勝敗が分かれる卓球において、掛け声はパフォーマンスを極限まで高めるための合理的な戦略なのだ。